帳簿の記帳義務と保存義務

Posted by on 2015年10月21日

中野区の税理士(飲食店に強い)の三堀貴信です。「帳簿の記帳義務と保存義務」の意義について。

<記帳義務>

記帳義務に関しては法人税法に明確に規定されています。

法人税法126条1項では、「青色申告書を提出している法人は、財務省令で定めるところによって帳簿書類を備え付け、これにその取引を記録し、かつ、その帳簿書類を保存しなければならない。」

法人の多くは、青色申告法人ですから、上記の条文を適用することになりますが、青色申告の承認を受けていない法人についても別の条文で記帳及び書類の保存義務を課しています。

青色申告法人の記帳について、法人税法施行令53条において、「青色申告法人は、その資産、負債及び資本に影響を及ぼす一切の取引につき、複式簿記の原則に従い、整然と、かつ、明瞭に記録し、その記録に基づいて決算を行なわなければならない。」と規定されています。

また、法人税法施行令54条では、「青色申告法人は、全ての取引を借方及び貸方に仕訳する帳簿(仕訳帳)、全ての取引を勘定科目の種類別に分類して整理計算する帳簿(総勘定元帳)その他必要な帳簿を備え、別表二十に定めるところにより、取引に関する事項を記載しなければならない。」と規定されています。

<保存義務>

帳簿の保存義務については、国税庁HPには次のように記載されています。以下国税庁HPより引用

[平成27年4月1日現在法令等]
1 帳簿書類等の保存期間
法人は、帳簿(注1)を備え付けてその取引を記録するとともに、その帳簿と取引等に関して作成又は受領した書類(以下「書類」といい、帳簿と併せて「帳簿書類」といいます。)を、その事業年度の確定申告書の提出期限から7年間(注2)保存しなければなりません。
また、法人が、取引情報の授受を電磁的方式によって行う電子取引をした場合には、原則としてその電磁的記録(電子データ)をその事業年度の確定申告書の提出期限から7年間保存する必要があります。
ただし、その電磁的記録を出力した紙によって保存しているときには、電磁的記録を保存する必要はありません。

(注1) 「帳簿」には、例えば総勘定元帳、仕訳帳、現金出納帳、売掛金元帳、買掛金元帳、固定資産台帳、売上帳、仕入帳などがあり、また、「書類」には、例えば棚卸表、貸借対照表、損益計算書、注文書、契約書、領収書などがあります。

(注2) 平成23年12月税制改正により青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越期間が9年とされたことに伴い、平成20年4月1日以後に終了した欠損金の生じた事業年度においては、帳簿書類の保存期間が9年間に延長されました。
また、平成27年度税制改正により、平成29年4月1日以後に開始する欠損金額の生ずる事業年度においては、帳簿書類の保存期間が10年間に延長されています。
2  帳簿書類の保存方法

(1)  原則的な保存方法
帳簿書類の保存方法は、紙による保存が原則となります。
したがって、電子計算機で作成した帳簿書類についても、原則として電子計算機からアウトプットした紙により保存する必要があります。

(2)  6年目及び7年目のマイクロフィルムによる保存方法(注)
帳簿書類の保存は、紙による保存が原則ですが、保存期間の最後の2年間に当たる6年目及び7年目の帳簿書類(一定の書類については最後の4年間)は、一定の要件を満たすマイクロフィルムにより保存することができます。
なお、マイクロフィルムによる保存を行う場合には、一定の基準を満たすマイクロフィルムリーダ又はマイクロフィルムリーダプリンタを設置する必要があります。(注) 平成23年12月の税制改正により青色欠損金額の繰越控除制度の規定の適用を受ける場合の帳簿書類の保存期間が9年間に延長されたことに伴い、8年目と9年目においてもマイクロフィルムによる保存を行うことができます。

(3)  電磁的記録による保存方法
自己が電磁的記録により最初の記録段階から一貫して電子計算機を使用して作成する帳簿書類で一定の要件を満たすものは、紙による保存によらず、サーバ・DVD・CD等に記録した電磁的記録(電子データ)のままで保存することができます。
なお、電磁的記録による保存を行う場合には、あらかじめ所轄税務署長に対して申請書を提出し、承認を受けることが必要です。また、この申請書は、備付けを開始する日の3月前の日までに提出する必要があります。

(4)  一定の書類のスキャナ読取りの電磁的記録の保存方法
保存すべき書類のうち、次の書類以外の一定の書類については、紙による保存によらず、スキャナ読取りの電磁的記録による保存を行うことができます。

イ  棚卸表、貸借対照表及び損益計算書並びに計算、整理又は決算に関して作成されたその他の書類

ロ  取引の相手方から受け取った契約書、領収書等及び自己の作成したこれらの写し(記載された金額が3万円未満のものを除きます。ただし、平成27年9月30日以後に行う承認申請については、金額基準が廃止されています。)

なお、スキャナ読取りの電磁的記録による保存を行う場合には、あらかじめ所轄税務署長に対して申請書を提出し、承認を受けることが必要です。
また、この申請書は、スキャナ読取りの電磁的記録による保存を行おうとする日の3月前の日までに提出する必要があります。

(注) 帳簿については、スキャナ読取りの電磁的記録による保存を行うことはできません。

(5)  電子計算機出力マイクロフィルム(COM)による保存
自己が最初の記録段階から一貫して電子計算機を使用して作成する帳簿書類については、一定の要件の下で、紙による保存によらず、その電磁的記録の電子計算機出力マイクロフィルム(COM)により保存することができます。
なお、電子計算機出力マイクロフィルム(COM)による保存を行う場合には、あらかじめ所轄税務署長に対して申請書を提出して承認を受けることが必要です。また、この申請書は、電子計算機出力マイクロフィルム(COM)による保存を行おうとする日の3月前の日までに提出する必要があります。
3 電子取引をした場合の電磁的記録の保存方法
法人が電子取引をした場合には、その電子取引に係る電磁的記録を、一定の要件を満たす方法により保存する必要があります。
なお、税務署長の承認は要件となっておりませんので、全ての法人が対象となります。

(法法57、126、150の2、平23.12改正法附則14、法規26の3、59、66、67、平27.3.31財務省告示101号、電子帳簿保存法1~6、9、10、電子帳簿保存法施行規則1、3、4、8)

国税庁HP参照


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