扶養控除を用いた節税

Posted by on 2015年10月11日

中野区の税理士(飲食店に強い)の三堀貴信です。「扶養控除を用いた節税」について。

夫婦ともに所得がある場合、その子供はどちらの扶養親族としてもかまいません。通常は所得の多いほうの人の扶養親族として扶養控除を受けることになり、合理的に節税することが可能となります。

誰の扶養親族とするかは毎年確定申告をするときに決めればよく、毎年同じ扶養親族とする必要はありません。
通常は夫の方が所得が高いケースが多いので、夫の扶養親族としているケースでも、年によっては、妻の方が臨時の所得があって所得が高くなることも考えられます。そのような場合には、その年についてだけ妻の扶養控除としたほうが、節税を考えれば有利といえます。

扶養控除については、どのように控除を受けたら有利になるのかを検討し、ケースバイケースで対応していくと良いと思われます。(ただし、所属変更には一定の手続きが必要。また一定の制限有り。下記参照)

また、扶養親族の数が多い場合は、全員を夫の扶養親族として扶養控除を受けるよりも、何人かを妻の扶養親族とした方が有利な場合もあります。

節税を考えるならば、どちらの扶養にしたほうが税額が低くなるかをシミュレーションしてみるのもよいと思われます。

扶養控除の額については、以下の通りです。

平成23年分の所得税から、扶養控除が次のとおり改正されています。
一般の扶養親族のうち、年齢が16歳未満の人に対する扶養控除(38万円)が廃止されました。
特定扶養親族のうち、年齢が16歳以上19歳未満の人に対する扶養控除について、上乗せ部分(25万円)が廃止され、扶養控除額が38万円とされました。
上記の扶養控除の改正に伴い、扶養親族が同居の特別障害者である場合において、扶養控除の額に35万円を加算する措置に代えて、同居特別障害者である扶養親族に対する障害者控除額が40万円から75万円に引き上げられました。

【参考】平成22年分以前の扶養控除の金額は、次の表のとおりです。
  右記以外の人 同居特別障害者
一般の扶養親族 38万円 73万円
特定扶養親族 63万円 98万円
老人扶養親族 同居老親等以外の者 48万円 83万円
同居老親等 58万円 93万円

(注)

1 同居特別障害者とは、特別障害者である扶養親族で、納税者又は納税者の配偶者若しくは納税者と生計を一にしているその他の親族のいずれかと常に同居している人をいいます。

2 特定扶養親族とは、扶養親族のうち、その年の12月31日現在の年齢が16歳以上23歳未満の人をいいます。

3 老人扶養親族とは、扶養親族のうち、その年の12月31日現在の年齢が70歳以上の人をいいます。

4 同居老親等とは、老人扶養親族のうち、納税者又はその配偶者の直系尊属(父母・祖父母など)で、納税者又はその配偶者と常に同居している人をいいます。
なお、扶養親族が障害者の場合には、扶養控除の他に障害者控除27万円(特別障害者の場合には40万円)が控除できます。

(所法2、79、84、85、措法41の16、平22改正法附則5)

 

また、扶養控除についての注意事項として「納税者が2人以上いる場合の扶養控除の所属の変更」があります。国税庁HPでは次のように説明しています。

 

[平成26年4月1日現在法令等]

2人以上の居住者の扶養親族に該当する者をいずれの居住者の扶養親族とするかは、これらの居住者が提出するその年分の「予定納税額の減額承認申請書」、「確定申告書(期限後申告を含みます。)」、「給与所得者の扶養控除等申告書」、「従たる給与についての扶養控除等申告書」又は「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」(以下「申告書等」といいます。)に記載されたところによります。
また、いったんその申告書等により所属が定められた後でも、改めてその所属の異なる記載をした申告書等を提出することによりその所属を更に変更することはできますが、その場合には、扶養親族を増加させようとする者及び減少させようとする者全員がその所属の異なる記載をした申告書等を提出しなければなりません。
なお、この場合の申告書等には、「修正申告書」及び「更正の請求書」は含まれませんので、いずれかの居住者がいったん確定申告書を提出している場合には、扶養親族の所属の変更はできません。

【設例1】

【問】 夫は長男を扶養親族とする「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出し年末調整を行っており、妻は扶養親族の記載をせずに「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出し年末調整を行っています。
今年は夫が多額の医療費を支払ったため、夫が長男を扶養親族から除外する「確定申告書」を提出し、妻が長男を扶養親族に含める「確定申告書」を提出したいのですが、このような扶養控除の所属の変更は認められますか。
【答】 扶養親族を増加させようとする者(妻)及び減少させようとする者(夫)全員が、その所属の変更を記載した「確定申告書」を提出すれば、扶養親族の所属の変更は認められます。

【設例2】

【問】 夫は長男を扶養親族とする「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出し年末調整を行っており、妻は扶養親族の記載をせずに「確定申告書」を提出しました。
今年は夫が多額の医療費を支払ったため、夫が長男を扶養親族から除外する「確定申告書」を提出し、妻が長男を扶養親族に含める「更正の請求書」を提出したいのですが、このような扶養控除の所属の変更は認められますか。
【答】 妻がいったん「確定申告書」を提出している場合には、長男について扶養親族の所属の変更は認められません。
いったん誰の扶養親族となるかが定まった場合でも、その後提出する申告書等にこれと異なる記載をすることによってその所属を変更することができますが、扶養親族を増加させようとする妻が提出する「更正の請求書」は、この場合の申告書等には含まれませんので、扶養親族の所属の変更は認められません。

(所令219、所基通85-2)

以上のように、扶養の所属変更には注意が必要です。


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