法人成りによる経費の範囲拡大

Posted by on 2015年10月13日

中野区の税理士(飲食店に強い)の三堀貴信です。「法人成りによる経費の範囲拡大」について。

個人事業では経費にならないが、法人なら認められる費用があります。法人成りして損金計上すれば節税につながります。

具体例としては、

①借入金の利子等
個人が借金をしてマンションを購入しても、賃貸など事業で使う場合を除いては、借入金利子は必要経費にはなりません。
一方、会社を作って、会社名義でマンションを購入し、会社に家賃を支払ってそのマンションを住居兼仕事場とすれば、借入金の利子は経費となります。
さらに、マンションの管理費や建物部分の減価償却費も経費になります。

②家族従業員に支給する給与
個人事業者が家族従業員に給与を支払っても、事業専従者控除や、青色事業専従者給与などの特例を除けば原則として必要経費にはなりません。
一方、会社で社長の家族従業員に給与を支給すれば、適正額であるならば、損金の額に算入することができます。

③代表者や家族従業員への退職金
長年、個人で事業を続けて引退したとしても、個人事業では退職という概念そのものがないので、退職金を支払うことはできません。また、配偶者やその他の親族に退職金を支給しても必要経費には算入されません。
それに対して、自分で会社を作って社長になり、同じように長年働いて退職した場合、会社が社長の実績に応じた退職金を支払えば、損金に算入されます。このことは、配偶者やその他の親族に支給した退職金であっても同様です。
しかも、退職金にかかる所得税の負担は、計算構造上、非常に軽く、有利なものになっております。

④家族に支払う賃借料・借入金利子
個人事業では、生計を一にする配偶者やその他の親族に家賃、借入金利子などを支払っても必要経費に算入することはできません。
これに対し、法人では、たとえ家族に支払う賃借料・借入金利子であっても、相当な金額であれば損金に算入できます。

⑤減価償却
個人事業では、減価償却は強制償却なので赤字のときでも償却しなければなりません。
これに対して、法人では減価償却は任意です。赤字のときは、必ずしも償却する必要はなく、償却による減価償却資産の費用化を次期以降に繰り延べることができます。また、繰越欠損金がある場合において、利益がでたときは、減価償却を後回しにして、先に繰越期限がある欠損金あてることによって、無駄なく節税をすることができます。

⑥赤字の繰越
個人事業で青色申告を選択している場合であっても純損失の繰越は3年間しかできません。
それに対して、法人の場合は欠損金の繰越控除といい、10年間繰り越せることができます。
これは非常に大きいです。個人的には役員の給与、消費税の免税効果、とならんで、法人化最大のメリットの1つと考えております。


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