消費税の還付

Posted by on 2015年9月30日

中野区の税理士(飲食店に強い)の三堀貴信です。「消費税の還付」について。

事業者の消費税の納付は、原則課税の場合、売上にかかる消費税から仕入れ等にかかる消費税を差し引いた金額を納付します。しかし、売上にかかる消費税よりも仕入れ等に係る消費税が大きい場合には、その差額が還付されます。

以上のことから、大きな設備投資(課税仕入)をした場合には、消費税の還付を受けられる可能性があります。

ただし、基準期間の課税売上高が1,000万円以下の免税事業者は原則として消費税の納税義務がないかわりに、還付も受けることができません。そこで、免税事業者が大きな設備投資(課税仕入)をするときは、その事業年度が始まる前(課税事業者になりたい課税期間の初日の前日までに提出が必要・新規開業の場合、開業した課税期間の末日までに提出すれば、第1期から適用可能)に、「消費税課税事業者選択届出書」を提出して、消費税の課税事業者になれば、消費税の還付が受けられる可能性が生じます。(課税事業者になりたい課税期間の初日の前日までに提出が必要・新規開業の場合、開業した課税期間の末日までに提出すれば、第1期から適用可能)

なお、いったん、「消費税課税事業者選択届出書」を提出して消費税の課税事業者となると2年間は免税事業者に戻ることはできません。(2年間強制的に消費税の課税事業者となります)

このため、還付を受ける事業年度は問題ないのですが、その後1年間は消費税を納付することになります。ですから、還付と納付をトータルで予測して課税事業者になるか否かを考える必要があると思われます。(注1)

(注1)その消費税を納付することとなる1年間(2期目の対策)については、簡易課税の要件を満たすならば、原則課税と簡易課税のどちらが有利か選択し、簡易課税の適用も視野にいれてもよいでしょう。その場合以下の注意点があります。

①「消費税簡易課税選択届出書」は適用を受けたい期間の初日の前日までに提出必要
(事業開始日の属する課税期間である場合は、その課税期間中に提出必要)
※つまり新設の場合は、第1期中にこの届出を提出しないと適用を受けられないということ。

②簡易課税は2年間の継続適用が要件ですから、たとえば新設の場合は、消費税の納税義務があれば、第3期も簡易課税が適用されることになるので注意です。

③当然ですが、簡易課税を適用すれば還付があっても受けられませんので要注意です(原則的として、計算構造的に還付は生じ得ない)

免税事業者に戻るためには、その課税期間が開始する前日までに「消費税課税事業者選択不適用届出書」を提出しなければならないので注意が必要です。この届出書の提出をし忘れるのは非常に手痛いです。本来免税事業者のはずが、強制的に課税事業者として納税しなくてはならないのですから。くれぐれも提出のし忘れにだけは注意してください。

なお、簡易課税制度を選択している企業は、消費税の還付を受けることができません。したがって、簡易課税選択業者が消費税の還付を受けようとするときは、「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」を提出して、簡易課税を取りやめる必要があります。(原則課税になる必要があります。)

いずれにせよ、この消費税還付の一連の手続きや届け出は非常に複雑であり、一歩間違えると大損してしまうため制度の利用にあたっては細心の注意を払う必要があります。


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