無予告調査

Posted by on 2015年10月7日

中野区の税理士(飲食店に強い)の三堀貴信です。「無予告調査」について。

無予告調査とは、その名の通り、予告なしでいきなり調査にくることです。どの業種にもありうることですが、とりわけ現金商売に多く見受けられます。飲食店などその典型かと思われます。

正直、予告なしで税務調査に来られたら驚いてパニックになりますよね。このような場合にどのように対処すべきか、法的根拠も交えて考察します。

まず、税務調査とは質問検査権というものを行使するものととらえて頂いて結構かと思います。そのうえで、各税法では質問検査権について次のように規定しています。

法人税法第156条
前三条の規定による質問又は検査の権限は、
犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

このように税法では「税務調査を犯罪捜査としてはならない」と明確に規定されているわけです。

それでは、なにをもって犯罪捜査というのかというと、

犯罪捜査とは、相手方を犯人だとみなして、証拠を発見・収集することです。

税務調査は法的に、納税者を「犯人扱い」することは許されず、ましてや調査官が税務調査に臨む手続きは、犯罪捜査のように広く認められているわけではないのです。(税務署は警察とは違うということです)

上記税法の規定は、質問検査権について規定し、かつ、犯罪捜査になりがちな税務調査に制限を加えています。もし、現場で、税務調査で調査官が、「犯罪捜査」まがいの行為・発言をした場合は、この「法律(税法)」に基づいて「違法行為」であることを主張してください。

繰り返しますが、上記のように「税務調査は犯罪捜査とは違う」と各法律で明確に規定されています。

この法律からもわかるとおり、税務調査は、犯罪捜査ではなく、あくまでも「任意」であって「強制」ではありませんから、会社・個人事業主の許可なく、調査官が勝手にキャビネットを開けたり、パソコンを触るのは法律に違反しているというわけです。(強制力はないということです。査察とは違いますから)

しかしながら、ここがややこしいところなのですが、税務調査は拒否できません(断ることができればみんな断っちゃいますよね?)。ですから、無予告調査であっても原則としてこれを断ることは不可です。

ですから、上記の事柄をしっかりと理解したうえで、うまく対応しましょう。具体的には、

①まずはとにかく冷静に対応してください。そして、調査官を会社内に入れないことです。「税理士に連絡しますのでそのままで少々お待ち下さい」といってすぐに税理士に連絡してください。
⇒あえて会社内に入れない方が、事前にトラブルを防ぐことができます。(内部に入れてしまうと調査を開始されてしまうかもしれないし、調査を認めたと受け取られないとも限らない)

②その後予定があるなら、今日は予定がある旨を伝える「今日は今から別の予定が入って無理です」ときっちりと伝える
⇒予定があるなら、それをつぶしてまで強制調査することは基本的にはないと思われます。また、顧問税理士としてもすぐに対応できるとは限りません。今すぐ税務調査を受ける必要はないのですから、予定がある旨を伝えることが得策です。(調査はあくまで断れないだけであって、予定を変更したり、調整したりすることは可能であり、これらは調査を断ることにはなりません)

③次の調査予定を決める「いついつなら、大丈夫なのですが」と提案する。(調査を受ける気があるということを知らしめる)
⇒あくまでも税務調査は拒否することはできません。しかし、必ずその場で受けなければならない、というわけでもありません。税務調査を断るのではなく、ただ日程を変えて欲しい、ということを強く主張するべきです。

④それでもどうしても確認したいことがあると言われたら、現金部分の確認だけにしてもらい、その他の時間のかかる帳簿書類等の調査は日を改めてもらう。(そこまで調査官が確認したいと拘泥するならば、おそらくターゲットは現金のところであろうと推定されます)

こんな感じの流れでもっていくとよろしいかと思われます。あくまで、任意調査なので、必要なところだけ対応して、あとは会社側の意向を受け入れてもらえるようにうまく交渉するとよいでしょう。


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