租税根拠論と租税法律関係

Posted by on 2015年11月3日

中野区の税理士(飲食店に強い)の三堀貴信です。「租税根拠論と租税法律関係」の意義について。

<租税根拠論>

租税根拠論とは、租税が課される正当な根拠を明らかにしようとする理論です。租税の根拠は大別すると利益説と義務説に分けられます。
利益説とは、国家によって市民が身体と財産を保護される利益の対価が租税であるとする考えをいいます。
義務説とは、国家は目的達成のためには当然課税権を持ち、国民は国家から受ける利益の程度とは無関係に納税義務を負うという考え方です。

我が国では、憲法30条に納税義務を規定していますが、これは利益説、義務説のどちらかを採用したかどうかという問題ではなく、国民が民主主義的租税感に基づいて納税の義務を負うことを明らかにしているものであります。憲法が福祉国家の理念を予定することから、我が国の租税の多くは利益説を根拠とするとの考え方は難しく、義務説を採用しているものと考えるのが妥当といえるのではないでしょうか。

<租税法律関係>

租税法律関係とは、租税の賦課徴収をめぐる国家と国民の関係は法律により律せられており、両者の関係は、法律上の関係であると考えることを言います。
国家と国民を租税法律関係とすることは、租税の賦課徴収は法律の根拠に基づかなければならなず、国民は法律に基づいてのみ納税義務を負うという租税法律主義の要請に合致するものであるといえます。

租税法律関係の性質が権力関係であるのか、債務関係であるのかは、租税法の意義や体系を形成する上でとても重要です。我が国では、戦前は、租税法律関係は権力関係であるとされていました。しかし、戦後は、申告納税制度の採用に伴って、租税法律関係は債務関係説であるとされています。
更正・決定や滞納処分など権力関係と解さざるを得ない部分も確かにありますが、基本的な租税法律関係は、債務関係といっていいのではないでしょうか。


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