給与と請負に係る調査

Posted by on 2015年10月6日

中野区の税理士(飲食店に強い)の三堀貴信です。「給与と請負に係る調査」について。

この場合、注意が必要なのは偽装請負です。
従業員を雇うと、支払う給与のほか、社会保険などの間接的経費が増加することになり、会社としては負担が大きくなると考えます。
そこで、雇用という形ではなく、請負制という形で契約を結ぶことで、トータルコストを低くするという方法がこれに該当する可能性があります。

しかし、現在ではこの方法は請負と認められない可能性が高くなっております。
理由としては、請負とは「労働の結果としての仕事の完成を目的とするもの」と民法で規定されており、雇用とは異なり、会社と労働者との間に指揮命令関係が生じないということがポイントになります。つまり、表面上は契約により請負を装い、実際は雇用と同じように指揮命令により労働させていくことを偽装請負ということになります。

税の問題として考えると、偽装請負は大きく2つの問題を抱えております。

1.源泉所得税

従業員に給与を支払う際には、源泉所得税を控除して支給します。これが請負による外注ということになれば、基本的に源泉徴収は必要なくなります。その点が税務調査で指摘されることになるでしょう。

2.消費税

請負の場合、支払った金額に消費税が含まれていることになりますのでその消費税部分が会社の支払う消費税から控除されることになります。(原則課税の場合)
これが給与だと消費税は関係ないので、会社の消費税から控除することはできないことになります。この点についても税務調査ではチェックされることになるでしょう。

偽装請負とみなされないためには、実態が伴った請負でなければなりません。まず契約形態は、仕事の完成に対して報酬を支払うというものでなければなりません。そのための契約形態が請負として認められるようなものでなければなりません。それに伴い、書類の整備も必要です。
また、その仕事を受けている外注先が会社の専属ではなく、ほかの仕事も行っているといったような請負としての証拠も欲しいところではあります。
当然のことながら、実質・実態として、会社と外注先との間に指揮命令関係がないということは大前提です。

しかし、たとえ、書類がそろっている場合でも偽装とみなされる可能性はあります。請負か外注かによって税額に大きな影響を与えることになりますので、課税当局もこの点については慎重に調査してくるポイントだと思われます。会社側もこの点については十分に注意が必要です。


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