貸倒損失

Posted by on 2015年9月30日

中野区の税理士(飲食店に強い)の三堀貴信です。「貸倒損失」について。

不良債権は貸倒処理することにより、節税効果が見込めます。ですが、むやみやたらに貸倒損失に計上できるわけではありません。税法上、貸倒損失として処理するためには厳密な要件がありますので注意しましょう。

1.法律上の貸倒れ(法律的に債権が消滅するので決算書に「貸倒損失」を計上(損金処理)しなくても損金算入が可能)

①会社更生法、民事再生法の規定に基づき切り捨てられた場合・・・処理事業年度(再生計画の認可決定のあった日)貸倒損失額(切り捨てられた金額)

②債権者集会の協議決定や第三者の斡旋による当事者間の協議、決定で切り捨てられた場合・・・処理事業年度(債権者集会等により切り捨て額の決定があった日)貸倒損失額(切り捨てられた額)

③債務者の債務超過の状態が相当期間継続し、その債権の弁済を受けることができないと認められる場合に、その債務者に対し書面により明らかにした場合・・・処理事業年度(内容証明などの書面により、債権放棄の通知をした日)貸倒損失額(書面による債務免除額)

※注意事項

・債権放棄については、債務超過であることが条件

・法律的に債権が消滅するので決算書に「貸倒損失」を計上(損金処理)しなくても損金算入が可能

 

2.事実上の貸倒れ(損金経理が要件

債務者の資産状況、支払能力などからみて、債権の全額が回収できないことが明らかとなったとき。

①担保物がない場合・・・処理事業年度(金銭債権の全額が回収できないとが明らかであると判断した日)貸倒損失額(金銭債権の全額

②担保物がある場合・・・処理事業年度(金銭債権の全額が回収できないとが明らかであると判断した日)貸倒損失額(金銭債権の額-処分価額)

※注意事項

・担保物を処分することが要件

債権等の全額を貸倒れ処理することが必要

・損金経理が必要

 

3.形式基準による貸倒れ(損金経理が要件

①債務者との取引を停止したとき以後1年以上を経過した日・・・処理事業年度(取引停止の時・最後の弁済期・最後の弁済時のうち最も遅い時から1年以上経過した日)貸倒損失額(売掛債権-1円)

②同一地域の債務者について、有する売掛債権の総額が、その取り立てのために必要な旅費その他の費用に満たない場合で、その債務者に対し支払いの督促をしたにもかかわらず弁済がないとき・・・処理事業年度(督促をしても弁済がない日)貸倒損失額(売掛債権-1円)

※注意事項

・取引を停止したことが必要
担保物がある場合は適用できない
売掛債権に限定して認められる
・トラブル債権についての適用はできない
・損金経理が必要
・売掛債権の備忘価額を残すことが必要


 

※免責事項

当事務所のホームページの「税務会計ニュース」及び「お役立ち情報等」で提供している各種ニュース及び情報等につきましては、お客さまに不測の損害・不利益などが発生しないよう適切に努力し、最新かつ正確な情報を掲載するよう注意を払っておりますが、その内容の完全性、正確性、有用性などについて保証をするものではありません。
したがいまして当事務所は、お客さまが当事務所のホームページの税務会計ニュース及びお役立ち情報等に基づいて起こされた行動等によって生じた損害・不利益などに対していかなる責任も一切負いませんことを予めご了承ください。
※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
※本情報の転載および複製等を禁じます。

 

このエントリーをはてなブックマークに追加