軽減税率は低所得層の味方なのか?

Posted by on 2016年1月9日

中野区の税理士(飲食店が得意)の三堀貴信です。「軽減税率は低所得層の味方なのか?」について。

と、まぁ、本日も消費税ネタなのですが・・・。かなり続いていますよね。消費税ネタ(笑)でもそれはそれだけこの消費税の軽減税率なるものが、今回の税制大綱の中でも注目度が高く、かつ、我々国民に与える影響が大きいことを物語っている証左だと思います。今週も消費税ネタでいってみよう!!(*’▽’)

ヤフーニュース・THE PAGE 1月3日(日)より抜粋・引用 経済コラムニスト・大江英樹さんが解説します。

同記事によれば、

「一般的に消費税には逆進性があると言われています。例えば所得税などの税金を納める場合には、所得ごとに税率が決まっていて所得の多い人ほど税率が高くなっています。つまり収入が多いお金持ちの人からはたくさん税金をとりましょうということです。これは「累進性」と言われています。

これに対して消費税は所得に関係なく一律ですから、結局は所得の少ない人の負担が大きくなってしまうと考えられ、「逆進性」があるというふうにみなされているのです。特に食料品などは生活していく上では必須のものであり、お金持ちも低所得者層も等しく使わなければならない費用です。こうした食料品に使うお金の割合のことをエンゲル係数と言いますが、低所得者層ほどエンゲル係数が高い、すなわち支出の中に占める食費の割合が大きいということが知られています。

そこで食料品にかかる税率を低くすることで低所得者層の負担を軽くしましょう、というのがこの軽減税率の主旨なのです。そしてこの軽減税率の導入には世論調査で74%の人が賛成と言っています。(15年10月25日付日経新聞・テレビ東京調査)」・・・(中略)・・・

軽減税率よりもむしろほかの方法、例えば財務省が当初掲げていた「消費者が対象商品を購入する際に、『マイナンバーカード』をかざし、消費税2%分相当の『還付ポイント』を取得して、そのポイント相当額が一定の限度額の範囲内で各個人の口座に事後的に還付される」という方法やもっとシンプルに低所得者層に対して一律に定額の給付金を支給する方がよほど低所得者対策になるのです。

にもかかわらず、なぜ軽減税率が74%もの支持を集めているのかということですが、これは行動経済学で考えると理由がすぐにわかります。一つは「アンカリング効果」と呼ばれているものです。人間は一旦示された数字を基準に考えるということです。例えば、安い価格で値引なしの場合と、高い価格だけど値引きがある場合だと、たとえ同じ金額だとしても後者の方がお得感を強く感じてしまうのです。

消費税10%だけど食料品だけは軽減税率で8%ということになれば、2%ダウンするということから何か得をした気持ちになるからです。でも本当に大切なのは実際の金額です。食料品を売っている人たちが2%分をわからないように値上げすることだってあるでしょう。10%⇒8%という変化だけにこだわると判断を間違えてしまいます。

二つ目は「認知バイアス」です。前述の「給付金を支給する」という方法を取るとイメージとしては“バラマキ”という印象が強くなります。ところが軽減税率だって購入者に補助金を出しているわけですから、これも紛れもない“バラマキ”です。しかも高所得者にメリットがある、もっと性質の悪いバラマキなのです。ところが以前に「定額給付金」が支給されたときにバラマキ批判が強かったために「給付金はバラマキ、軽減税率は弱者救済」というイメージにとらわれてしまうということなのでしょう。

面白いのは軽減税率の導入の目的が ”増税による国民の負担「感」の緩和”となっていることです。(2015年11月3日 官房長官談話)“負担”ではなく、“負担「感」”の緩和なのです。実際に低所得者の負担が軽くなるということよりも“何となく得をした”感を醸し出すという意味では軽減税率は行動経済学から考えると効果的な方法かもしれません。」

以上のように記載されています。すみません。引用がかなり長くなりましたが(これでも省略しています)。

どうですか?この記事。経済コラムニスト・大江英樹さん、至言といってよいと思います。とくに消費税の逆進性について触れ、マイナンバーによる還付のほうがシンプルなどいったところ。どこかで聞いたことがありません?なんと、私が以前当記事で主張していたことなのです!エッヘン(*´ω`)

まぁ、うがった見方をすれば、それだけ当たりまえの考えだということなのでしょうが、とにもかくにも、経済コラムニストの方とほんの少しでも主張が同じところがあったところが素直にうれしいです(笑)(‘◇’)ゞ

後半部分についても、とても勉強になることを述べておられますね。なぜに軽減税率の支持が高いのか?これについて同氏は、アカリング効果というものについて述べています。私もこの言葉は知りませんでしたが、心理学的な話ならなんとなく理解できます。要するに1個100円のリンゴ(値引きなし)と1個500円のリンゴ(値引き300円で正味200円)であるならば、実際は100円のリンゴのほうがお得なのに、後者のほうがお得感が生じてしまうってことですよね?違ってたらごめんなさい。

要するにこれって、錯覚というか騙されているというか・・・。そういうことじゃないっすか?って感じですよね。我々を幻惑してうやむやにしようとしている(汗)。
騙されないようにしよっと(*’▽’)

さらに、軽減税率は、税の負担の軽減ではなく、負担感の軽減を目的としているとありますが、まさにそのとおり!!実際負担軽減はないですから。据え置き8%、何回も申し上げるように、今回は軽減税率ではなく、据え置き税率ですから。さらに言えば、こういう言葉のマジックというか言葉の持つ力を利用して我々消費者の判断力を鈍らせるって、かなり卑劣(言い過ぎ?)だと個人的には思います。今日もいつもの一言、消費税の軽減税率はまだ税制大綱にのっただけで、決して、決議されたわけではない、我々国民が一致団結して声を大にして単一税率を主張すれば、まだまだ、政府も考え直してくれる・・・かも。(´・ω・`)

毎回、批判ネタが多いですが、1日も早く、政府のこういった施策を批判せず、おおいに称賛できる世の中になってほしいと切に願うところであります。皆様はいかがでしょうか。


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