憲法改正(緊急事態条項)と税金の関係について

Posted by on 2019年5月23日

中野区の会計事務所・税理士の三堀貴信です。「憲法改正(緊急事態条項)と税金の関係について」

最近話題の憲法改正。税金とどのように関係してくるのか考えてみます。

税法は憲法と密接に関係しています。まず、国民の3大義務の1つである納税の義務があります。そして、憲法14条1項平等原則(租税公平主義)、同84条(租税法律主義)、同29条1項(財産権)などがあります。

また、国税徴収法により、税金の取り方を規定しております。(例えば、滞納による財産の差し押さえや換価は一定の手続きを経なければならない旨など)

大雑把にいうならば、租税公平主義は、税金の負担は公平にということです。租税法律主義は、法律に基づいて税金の課税が行われるということです。財産権は、財産権は不可侵ということです。

つまり、我々国民は納税の義務を有するとともに、これらの条文により保護されているといえます。

今回の憲法改正草案はまさに改悪としかいえないほどめちゃくちゃなものではありますが、税金の観点からみてもめちゃくちゃであるといえます。

たとえば、憲法改正草案では、基本的人権の尊重を否定しているように思われ、これにより、上記の規定は無効化又は有名無実化されるのではなかろうかと危惧します。

また、一番問題なのは、緊急事態条項の設置です。(ちなみに自民党は緊急事態条項を目立たないように隠していると思われます)
緊急事態条項については日弁連でも反対しております。日弁連HP
まぁ、日弁連が反対するってことは、緊急事態条項は相当ヤバいってことです。もちろん憲法学者の多くが反対しております。

緊急事態条項のもとでは、首相が「緊急事態だぁ」(しかも、緊急事態の定義は極めて曖昧)と緊急事態宣言すれば、緊急事態条項が発動してしまうということです。それにより、勝手に法律を作ったり、憲法を停止させることが可能となるということかと思われます。

今の政権与党に渡すには、あまりにも危険なものだとは思いませんか。

極端な話、内閣がその気になれば、財産権や租税手続、租税法律主義、租税公平主義などを無視して税金を徴収し、さらには、財産を没収することすら可能になるかもしれません。
消費税でいえば、たとえ5%に減税されたとしても、緊急事態宣言によって、「今は緊急事態だから消費税200%な」ってことも可能になるということです。あくまで極端に解釈すればということですが。

緊急事態宣言が宣言された場合、その期限はいくらでも延長可能であり、その間はずっと選挙が行われないという恐怖の独裁政治・独裁政権、まさにアニメ『北斗の拳』のような世界が続くことになるやもしれません。

以上のように、憲法改正は税金の面からみてもありえないと考えます。

憲法の基本理念や税法を無視するような現政権与党には、憲法に触れる資格はないと存じます。

今年は、参議院選挙があります。衆参ダブル選挙になる可能性もあります。いずれにせよ、今の政権与党はめちゃくちゃです。
選挙の争点は何になるのか・・・おそらく消費税だとは思いますが、自民党は消費税増税延期を打ってくると思われます。対して、野党も消費税延期又は凍結では勝負にならず、自民党には勝てないでしょう。

消費税は分かりやすいから争点にするのは大事ですが、するならば、野党は消費税廃止又は5%に減税を旗印にして戦ったほうがよいと思います。
しかし、一番大事なのは憲法改正を阻止することだと存じます。仮に野党が負けたら、緊急事態宣言により、選挙すら行われなくなり、捲土重来を期すことも不可能になる虞れがあると考えます。

私は、普段、政治的な発言は極力しないようにしてきました。しかし、現政権与党のあまりのヤバさにブログに書いてみました。Twitterも政治ネタが多いです(苦笑)
今まで私は支持政党もなく、いわゆる無党派であり、政治にも期待していませんでしたが、まだまだ骨のある誠実な政治家、たとえば、山本太郎議員のような議員もおられるため、一縷の望みを託しております。

政策をみるにつけ、山本太郎参議院議員は正鵠を得ている思います。
山本太郎議員を旗頭に、消費税廃止又は減税と憲法改悪阻止を野党共通政策にして、野党共闘・統一名簿で戦えば、与党に勝てるかもしれないと考えます。

今回は、共産党がかなり折れてくれていると感じました。あの誇り高き共産党がここまで折れるというのはよほどの危機感の表れではなかろうかと思います。
あと尻込みしているのは、立憲民主党なのかな?ほかにもあるのかな?

いずれによ、立憲民主党の皆様には、今こそ呉越同舟、心を一つにして、政治を国民の手に取り戻して頂きたいと思います。
今は、野党第一党になりたいぃーや、小沢一郎がぁーとか、山本太郎がぁーとか、などと言っている場合ではないですよ。
「自民党が消費税を延期したらアベノミクスが失敗したことを自民党が認めたことになる、やったー」とか、あり得ない、危機感なさすぎですよそれは。
野党が負けたら選挙すらなくなり、捲土重来を期すことも不可能になるかもしれないのに。

今まで憲法をそれほど意識したことはなかったのですが、ことここに至り、危機感を募らせると同時に、こんな自由なことを書けるのも憲法があるおかげだと心からありがたく思っています。

自民党の憲法改正案のおける緊急事態条項だけをみても、その1点だけを見ても、自民党や公明党、日本維新の会などの改憲勢力を支持しないというには十分だと思うのですが、皆さんはいかがお考えでしょうか(^-^)


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