外食は食品衛生法で区分=軽減税率

Posted by on 2015年12月26日

中野区の税理士(飲食店が得意)の三堀貴信です。「外食は食品衛生法で区分=軽減税率」について。

ヤフーニュース・時事通信 12月14日(月)より抜粋 同記事によれば、

「自民、公明両党の税制調査会は14日午後、消費税の税率を低く抑える軽減税率の対象品目について東京都内で協議し、外食と加工食品の区分は食品衛生法を基本に調整することにした。
また、新聞も原則的に対象に含める方向で一致した。16日にも決定する2016年度与党税制改正大綱に盛り込みたい考えだ。
両党は12日、飲食料品の中でも「外食サービス」は軽減税率の対象外にすることで合意。今後、加工食品を買ってその場で食べる場合など、外食と加工食品の線引きの基準をどこに置くかが課題となっている。
食品衛生法は、食品を調理する飲食店や喫茶店の衛生面を規制し、危害の発生を防止する法律。多くのコンビニは簡単な調理しかしておらず、同法の許可を得る必要がない。このため、イートインコーナーで袋入りのパンやお菓子を食べても「外食」とはみなされず、軽減対象となる見込みだ。
ただ、同法では、飲食店の出前や客による持ち帰りは外食扱いとなる可能性があり、両党は最終的な詰めを急ぐ。
一方、新聞は、毎日配達される体制の整っている一般紙については全国紙、地方紙を問わず対象となる方向だが、詳細は今後詰める。書籍は長期的な検討課題となる見通しだ。 」

以上のように記載されています。

まさに、複雑極まりない印象ですね。税は簡易でわかりやすいほどよいというのがいつの時代でも税金のひとつの理想形であるとされているのですが、現在の日本の税制はこれと比較してどうでしょうか。まさに租税原則(公平・中立・簡素)に逆行する形で進んでみえるのですが・・・。

新聞が軽減税率の対象となるようですが、これはマスコミ対策でしょうか。新聞を軽減税率の対象としなければ新聞各紙は大騒ぎするでしょうから。

同記事では最後に書籍についても言及していますが、書籍は国民の知恵に資するものであるため、本来は据え置きどころか非課税にすべきではないかと単純に思ってしまうのですが・・・。

しかし、書籍を軽減税率の対象とするならば、どの範囲まで含めるのか、すべてか、一部なのか。一部ならその線引きはどうするのか、恣意性の介入や差別が生じないか、などなど様々な問題を内包しているように思えます。このように考えると新聞や書籍だけではなく、すべてのものについて軽減税率の有無を議論すべきであるという結論に至りそうですが、そうすると消費税はますます複雑化の様相を呈してくると思われます。

租税は簡易でわかりやすいのが一番。この基本理念を達成するには、消費税率は単一課税、かつ、5%に減額にしたほうが、税の明瞭性や経済効果からみても総合的によい結果をもたらすのではないかと考えるのですが。みなさんはいかがお考えでしょうか。


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